RK-Silver/KA/EX(Ver.UP)×KA-PgPg Cross/4s

RK-Silver/KA/EX (Ver.UP)

感動値200点のフラッグシップアップグレードモデル。
ケーブルはWシースケーブルのKA-PgPg Cross/4sで聴いてみた。

楽曲はマイケル・ジャクソン『Man In The Mirror』(1987 アルバム「Bad」より)。
「世界を良くしたいなら、まず“鏡の中の自分”を変えることから始めよう」というもの。

貧困、戦争、不正義、人種差別の社会問題に目を向けながら、自分自身を見つめ直し他者や社会を変えていくという “自己変革を促すアンセム ” としてメッセージ性の強い楽曲である。

私がマイケル・ジャクソンの楽曲の中で最も好きな曲である。

イントロで鳴る、あのピンと張り詰めながらも果てしなく伸びていく音。
オーディオの力量を測る上で、最も誤魔化しの効かない指標として長年用いてきた音だが、今回の再生ではその基準を明確に更新してきた。

この音が、澄み切った直線のまま立ち上がるのか。それとも微細なビビリ感を伴い、硬さや刺さりとして露呈してしまうのか。この判別は、ユニットの潜在能力だけでなく、電気的・物理的整合がどこまで追い込まれているかを如実に示す指標なのである。

RK-Silver/KA/EX(Ver.UP)は、その最も厳しい関門を涼しい顔で突破してくる。
空間的な余裕感、静寂感を掌握したS/Nの良さ、その両者が相まって、音の発生源が暗闇から立ち上がるようにロス無く描かれる。暁の静寂に朝日が差す瞬間のような、音が滲みも乱れもなくスッと現れ、聴き手を楽曲が描く世界へと自然に誘う。この滑らかさは、単なる高解像とは別次元の完成度と成っている。

さらに、RK-Silver/KA/EX(Ver.UP)が本来持つ細部まで破綻のない描写力に、KA-PgPg Cross/4sのジャンル不問の万能性が加わることで、システムとしての統合感が一層際立っている。
両者の相性は極めて良く、ディテールの精密さと音楽の表現的な包容力が高い水準で両立し、“鳴るべき音が鳴るべき姿で鳴る”という理想的な状態を実現している。
更にKA-PgPg Cross/4s がリファレンスケーブルとして備える資質と実力を、改めて証明が出来た。

また、バスドラムの沈み込みの表現も見事である。
地下深くから突き上げてくるような重心の低い深度と、レスポンスの瞬発力が同時に成立しており、重量級でありながら鈍さの一切ない動きが感じられる。低域の制動と躍動が自動制御され芯を外さず、音楽の“ノリ”がこれ以上ないほど自然かつパワフルに表現される。

総じて、RK-Silver/KA/EX(Ver.UP)は、単体としてすでに完成域の表現力を備えるだけでなく、システム全体の完成度を確実に未来へ誘ってくれる存在である。
音楽の構造・表情・空間までもが芸術的観点から破綻なく再現出来るアップグレードであると云えるだろう。

聴いた後の音楽脳の覚醒は、音質評価において判断基準そのものを書き換えてしまう。
12月13、14日のお披露目会にてその真価を皆さん自身の耳でお確かめいただきたい。

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